人ははるか昔、まだ文字という概念がない時代から目に見えないものを意識し、占いという儀式をおこなってきたと言われています。
起源はとても古くて、そして今現在も行われ続けている占いという世界。
神秘的であり、科学的であり、現実的でありながらも非現実的な世界。
この占いという世界の起源をちょっとだけお話ししたいと思います。
見えない世界を意識していた私たちの祖先
私たち人間はいつから占いをしていたのか?
実ははっきりとした答えはまだわかりません。
文字という概念が生まれるよりも、もっともっとはるか以前から私たちの祖先は目に見えない世界を意識していたと考えられているからです。
その証拠にイスラエルには10万年前の埋葬跡が見つかっており、その遺骨には葬儀の儀式が行われたと思われる痕跡が残されています。
ヨーロッパにも動物や人間、幾何学模様などの壁画が見つかっています。
その壁画が意味するところはまだ諸説が多くはっきりとしたことはわかっていませんが、狩りの成功を祈る、または占うための儀式という説もあるんですよ。
文字の起源は紀元前3200年頃と言われているので、占いはそれよりもずっとずっと前ということがわかりますよね。
私たちの祖先は文字が生まれるずっとずっと前から目に見えない世界を意識し、祈祷や占いを行ってきたのです。
占いの歴史を語る記録
西洋の占いの記録
占いは文字が生まれてからようやく記録として残るようになってきました。
世界最古の文明、古代メソポタミアには占いの文書が数多く残されています。
特にチグリス川とユーフラテス川にはさまれたこの地域は洪水が多く、その洪水を予知するために占いはとても発達したと考えられています。
このころはまだ個人を占うよりも、作物の出来や天災の予測を占うほうが頻繁に行われていました。
川に挟まれているということは粘土素材にとても恵まれていたこともあり、粘土板に楔形文字で当時の人々の暮らしぶりが伝えられており、その中には古代メソポタミア人がどのような占いをしていたのかもわかるそうです。
古代メソポタミア人が行っていた占いは、神に供物として捧げた羊や山羊などの肝臓や油を使った動物占い、肝臓占い、油滴占い、見た夢で占う夢占いなどの卜占術も多かったのですが、身体の相で占う相占術、そして天体観測による占星術や誕生日占いなどの命占術も行われていたそうです。
いわゆる占いの三大区分(命・卜・相)はこの時代にはすでに誕生していたことになりますね。
祖先たちは自分の取り巻く世界に現れた何らかの兆しは、目に見えない存在からのメッセージであると考えていたそうです。
いつもと違う兆しが現れた時、その現象を観察して記録し、一定の法則を見出すことでたくさんの予測をしていたそうです。
またその兆しを自然に任せることなく、能動的に占いの儀式を行うことで未来を予測しようとしていました。
東洋の占いの記録
一方、中国や日本で行われてきた占いは亀の甲羅や動物の骨に熱を入れることで生まれる「ひび」の形から占う「亀卜」という卜占術が最も古い記録とされています。
中国では占い結果は神意として、占った日や神官の名前などと一緒に甲骨文という象形文字で亀の甲羅や動物の骨に刻み込まれています。
日本では鹿の骨を主に用いた占いが行われていて、日本書紀や古事記に占いの様子が記されています。
日本の占い方法は太占(ふとまに)と呼ばれていて最近またモトアケ・フトマニ図やオシテ文字などがスピリチュアルブームとともにアクセサリーデザインなどに利用され注目されている占いだと思います。
私も言霊や文字の力には特別な力があると感じており、フトマニカードを使い占うことがあります。