古代メソポタミアは占星術の発祥と言われていますが、ほかにもたくさんの占いが行われてきました。
当時の文献にはたくさんの占いの種類と実際に行われた占いの記録が残されています。
今回は文献に残っている占いをご紹介します。
肝臓占い
ちょっと物騒に感じる肝臓占いですが、神への供物として捧げられた家畜の肝臓の色や形を見て鑑定する占いです。
羊の肝臓の模型に文字が書かれているものが残されていて、その模型をもとに鑑定したり、占い師の養成に使われていたという説があります。
肝臓の各部位に「宮殿の門」など独特の名称がつけられていたようです。
「宮殿の門」が広ければ飢饉が生じるだろう。
「宮殿の門」が完全でまっすぐなら遠征には平和がもたらされるであろう。
などの記録があります。
骨相占い
骨格の特徴から占います。
病気の診断と同じように使われていたようです。
頭が卓状であれば人に見捨てられ貧するであろう
または、その人の妻はよく仕えるであろう
誕生占い
現在の生年月日から占うものではなく、誕生したときに普段とは異なる現象があったときに、その現象で鑑定しました。
女性が身ごもり、胎児が泣けば国に災いが起こるだろう
天体占い
占星術だけじゃなく、空に現れる現象は天体だけじゃなく、気象のすべての現象が占いの対象になりました。
月が現れるときに雲に覆われ続けていれば、国の収穫は定着し、王は重んじられるだろう

都市占い
都市の内外で起こるいろいろな出来事も占いの対象となりました。
都市の頂が天に達したとき、その年は放棄されるだろう。
都市が宮殿の上にあるならば、争いは尽きないだろう。
動物占い
以前動物占いという占いが流行りましたが、それとはまったく関係ありません。
動物の鳴き声や行動から占っていました。
鷹が右の方向の地上で何かを食べているのなら人からの分け前があるだろう。
左の方向の地上で何かを食べているのなら望みを達することができないだろう。
油滴占い
器に入れた水の上に油滴をたらし、油の形や状態で占っていました。
油が沈んで浮かび水を包み込んだなら、戦争は災厄に見舞われ、病気は厳しいだろう
夢占い
今も占いの主流にある夢占いは古代メソポタミアでも主流の占いでした。
当時は普段から見る夢のほかにも、神託を受け取るために神殿にこもって眠り、夢にメッセージが現れるのを待ちました。
夢の中で川に沈んだり浮かんだりしたならば、苦悩に見舞われるだろう
川から上がってきたならば、良い知らせを得るであろう
そのほかの占い
ほかにも神の前で乳香というお香を焚いて煙のたなびき方を見る「香煙占い」や、麦などの粉を床にまいて広がり方を見る「粉占い」なども行われていたようです。
自然現象を観察するだけじゃなく、故意に現象を起こしその結果で判断する卜占が主に行われていたようです。